絣着物とは?レンタルや買取相場まで

絣とは織物技法の1つのことです。本記事ではそのような絣について、技法や歴史、種類や買取相場についてまで、丁寧に解説していきます。

たとえば、皆さんは絣織物がインドのラジャスターン地方で発祥したといわれていることはご存じでしょうか。実は、絣織物は海外で発祥したものだったのです。

それでは、まずは絣の技法について解説していきます。

目次

絣とは?

記事を織る様子
絣とは?

絣織物とは、絣糸を用いて文様を表す技法を使用した織物のことです。絣糸は、表現する模様に応じて先に部分的防染処理を施すことで作成されます。そうすることで、独特のかすれ具合が表現されるのです。

絣糸の染色方法は、括り染めと呼ばれる防染部分に紐状のものを括り付ける方法や、板締めと呼ばれる凹凸のある板に糸を挟んで液を流し込む方法や、織締めと呼ばれる締機や織締め機械を用いる方法があります。

絣の歴史

絣の生地
絣の歴史

絣の歴史は、7〜8世紀頃のインドのラジャスターン地方から始まったといわれています。そして日本には14〜15世紀頃に東南アジアを経て琉球に伝わりました。また絣が織られて着られるようになったのは、15世紀後半とされています。

日本独自の絣は、現在久留米絣と呼ばれているもので、わずか12歳の井上伝という少女が藍染をもとに考案しました。その後に現在の日本三大絣である、伊予絣備後絣が登場しました。また結城紬や大島紬でも技法が取り入れられるなど、日本全土に浸透していきました。

絣着物の種類

絣の生地
絣着物の種類

絣着物にはいくつかの種類が存在します。その中でも、織りや染の手順の違いにより、織り絣染め絣に分けることができます。

織り絣は、まず織り上げたい模様を先に計算します。そして染め分けられた糸を使用して、絣柄にするものです。

染め絣とは、着物地の白生地や無地のものに絣風の模様を染めたものです。木綿生地が用いられることが多く、型紙によるものと機械捺染や銅板を用いたものなどもあります。織り絣に比べて安価なのは、工程がシンプルだからです。

本章では、そのような織り絣である縦絣と横絣、縦横絣について解説していきます。

縦絣

縦絣とは、経糸に絣糸を用いて緯糸の地糸と共に織り上げるものです。

矢絣と呼ばれる矢のような柄などの縦方向の掠れを活かした模様が多く見られます。

横絣

横絣とは、緯糸に絣糸を用いているものをいいます。また、経糸は地糸で、絣糸と共に織ることによって、絣柄を表現しています。

久留米絣伊予絣などは横絣で模様が織られていることが多いです。

縦横絣

縦横絣とは、経糸と緯糸ともに絣糸を用いています。このことにより、より繊細な柄を表現できるのです。

染め分けた色を上手に重ね合わせるのは難易度が高いものです。

絣の着物の産地

絣の生地
絣の着物の産地

絣着物は、産地によって呼び名が変わります。本章では、そのような絣着物について産地や特徴を解説していきます。また、最初に紹介する3つは日本三大絣産地となっています。

備後絣

備後絣は、広島県福山市にて生産されています。江戸時代から生産されてきた三大絣の1つです。特徴は、藍色より黒に近い紺色をしていることです。この技法は古くから搗染めと呼ばれています。

格子柄だけでなく、魚をモチーフとした柄も見られるのは、瀬戸内海に面している影響ともいわれています。また、この一帯では潮風に強い綿の栽培が盛んだったことから、絣着物が生産されるようになったともいわれています。

久留米絣

久留米絣は、福岡県久留米市にて生産されています。1957年に国の重要無形文化財として指定されているほか、三大絣の1つでもあります。

縦絣や緯絣などの織り方に加えて、味わい深くも高い技術を要する緻密な模様が特徴として挙げられます。

伊予絣

伊予絣は、愛媛県松山市にて生産されています。三大絣の1つで、藍色の木綿生地に井桁や十字の文様が特徴的です。

鍵谷カナという女性が江戸時代に考案した絣で、大正時代に大量に生産されました。また、昭和4年の大恐慌までがピークで、年220反を生産していましたが、現在は60反まで衰退しています。

弓浜絣

弓浜絣は、鳥取県米子市などで生産されています。1975年に経済産業省指定伝統的工芸品に指定され、1978年には鳥取県指定無形文化財に指定されています。

特徴は、伯州綿という綿を用いていることと、保温性が高く、弾力性もある生地なので、布団にも使用されることが挙げられます。

作州絣

作州絣は、岡山県津山市で生産されていました。紺色と白色がコントラストを生み、現代受けする模様になっています。

また、繊細な白色の模様は花柄や小鼓、扇などが有名ですが、近年では斬新な幾何学模様のものも出てきて、ドレスやスカーフなども作られるようになりました。

広瀬絣

広瀬絣は、島根県安来市広瀬町で生産されています。1824年に、長岡貞子という女性が米子市で伝授された染織法を広めたとされています。

大柄かつ細かな模様が特徴で、幾何学模様のようで現代風に見えます。

琉球絣

琉球絣は、沖縄県南風原町で生産されています。昭和58年に国の伝統工芸品に指定、平成16年に南風原町無形文化財に指定されています。

文様の種類は、600種類以上ともいわれていて、琉球絣の最大の特徴となっています。また、大正〜昭和初期頃までは、生地は木綿が主流でしたが、現在では90%以上が絹になっています。

伊勢崎絣

伊勢崎絣は、群馬県の伊勢崎で生産されています。

経糸と緯糸を同一の型で作り、柄に合わせて織ることで、大胆で色彩鮮やかな柄を表現しています。特に幾何学模様や椿の柄が多く見られます。

絣の着物の着用シーン・TPO

絣の着物
絣の着物の着用シーン・TPO

着物には格というものが存在します。格によって、どこに着て行くのがふさわしい着物なのかが分かるのです。

絣着物は、模様がかすったように織られているのが特徴です。

そのような絣は軽い外出時に向いています。昔は普段着として着られていましたが、現在ではお稽古や趣味の会など気負わないお洒落着として活用できます。高価なものでも婚礼や茶会などには着ていくことはできないので注意しましょう。

絣の着物をネットレンタルするなら

複数の着物
絣の着物をネットレンタルするなら

絣着物に限らず、着物を着たいと考えられている方にとって、着物を買うという決断はしにくいものがあります。

たとえば、入学式や特別な用事のときにだけ着たいけど、管理や購入はハードルが高いと考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そのような方に向けて着物をレンタルするという選択肢を提案したいと思います。

そして、着物のネットレンタルサービスの中でおすすめなのが、「着物レンタル 夢館」です。

初めて着物を着る人にも、いつもと違う着物を着たい人にもお勧めできますので、一度利用してみてください。

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絣の着物を持っていて売りたいなら

絣の着物
絣の着物を持っていて売りたいなら

現在、絣着物を持っていらっしゃる方にとって気になるのは、買取相場ではないでしょうか。

ずばり絣着物の買取相場は、1,000〜60,000円といわれています。実に幅広いですよね。絣の買取相場は、産地や種類、素材や保管状態に左右されやすいのです。

詳しく解説しますと、久留米絣は10,000〜60,000円、伊予絣は5,000〜50,000円、備後絣は6,000〜30,000円、薩摩絣は3,000〜10,000円といわれています。久留米絣は有名な作家の絣であれば、10万円以上の高額買取も期待できます。

しかし、せっかく絣着物を売るなら、できるだけ高く買い取ってもらいたいですよね。それでは、高額買取のためのコツを解説していきます。

まず、シワや汚れがつく前に早く売ることが大事です。シワや汚れが多いと、やはり高価買取は難しくなってきます。そのため、売りたいと思ったらすぐに売ることが大事なのです。

また、着物買取専用の業者に買い取ってもらうことも大切です。フリーマーケットアプリで売ることもできますが、やはり高価買取を狙うなら、専用の業者に買い取ってもらうことが1番大切です。

着物買取専用業者としてお勧めできるのが、バイセルです。バイセルでは、3つの買取方法から自分にあった買取方法を選ぶことができます。

1つめは出張買取です。出張買取は、査定士に自宅まで来てもらう買取方法です。売りたい物が多くて困っている方や、自宅で完結したい方にお勧めです。

2つめは店頭買取です。店頭買取は、店舗まで足を運んで、査定してもらう買取方法です。予約不要なので、好きな時間に立ち寄りたいという方にお勧めです。

3つめは宅配買取です。宅配買取は、自宅から売りたいものを箱に詰めて送り、査定してもらう買取方法です。宅配キットも届くので、用意はいりません。忙しくて予定を合わせにくい方にお勧めです。

買取方法が選べるバイセルで、まずは着物を査定してもらってはいかがでしょうか。

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